
査定から見える月次不動産相談レポート|前橋・高崎の地価と建築コスト、査定相談23件から考える

【2026年8月号】査定から見える月次不動産相談レポート|前橋・高崎の地価と建築コスト、23件の相談から考える
ピタットハウス前橋店では、毎月寄せられる不動産査定や相談内容をもとに、前橋市・高崎市を中心とした不動産の動きを考える「月次不動産相談レポート」を発信していきます。
これは、査定件数を業績として報告するためのものではありません。
公表されている地価や住宅着工、建築費などの情報と、私たちが実際に受けた相談を重ねながら、不動産所有者が現在どのようなことに悩み、何を考え始めているのかをお伝えするものです。
第1回となる今回は、2026年8月にピタットハウス前橋店ワンライフでお受けした23件の査定相談から、現在の不動産市場について考えます。
本レポートについて
本レポートの相談件数は当社が受けた相談に基づくものであり、前橋市・高崎市全体の市場を示す統計ではありません。
2026年8月の査定相談は23件
8月にお受けした査定相談は、合計23件でした。
主な相談理由は次のとおりです。
| 相談内容 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 資産整理 | 11件 | 約48% |
| 相続に関する相談 | 6件 | 約26% |
| 空き家に関する相談 | 3件 | 約13% |
| 買い替えに関する相談 | 3件 | 約13% |
| 合計 | 23件 | 100% |
また、23件のうち3件では、売却価格と賃料の両方を比較する「W査定」を行いました。W査定3件は、上記23件の内数です。
数字だけを見ると、最も多かったのは資産整理で、全体の約48%を占めています。
私たちが相談現場で感じているのは、不動産査定が「売却を決めた後に価格を確認するもの」から、「今後どうするかを考えるためのもの」へ変わってきていることです。
地価上昇が注目される前橋・高崎
2026年の群馬県地価公示では、全用途の平均変動率が前年比0.1%上昇し、34年ぶりに上昇へ転じました。
用途別の平均変動率は、次のようになっています。
- 住宅地:0.0%
- 商業地:0.3%上昇
- 工業地:2.9%上昇
群馬県は、高崎駅徒歩圏の住宅地で県内外からの需要が見られることや、前橋市・高崎市などの中心商業地で地価上昇が見られたことを説明しています。
参考: 群馬県「令和8年地価公示結果」
また、2026年7月に公表された最高路線価は、次のようになりました。
| 地域 | 最高路線価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 高崎市八島町 | 47万円/㎡ | 2.2%上昇 |
| 前橋市本町2丁目 | 14万5,000円/㎡ | 7.4%上昇 |
路線価を見る際の注意点
これは高崎・前橋の各税務署管内における最高地点の路線価です。前橋市や高崎市の土地が、すべて同じ割合で値上がりしているわけではありません。また、路線価は主に相続税や贈与税の土地評価に使用されるもので、実際の売却価格そのものでもありません。
駅からの距離、生活利便性、土地の大きさや形状、接道条件、周辺環境などによって、不動産の需要と価格には大きな差があります。
地価上昇という言葉だけで判断せず、所有している不動産ごとに現在の価値を確認することが大切です。
建築の動きも不動産価格に影響します
不動産市場を考えるうえでは、土地価格だけでなく、住宅着工や建築費の動きも確認する必要があります。
群馬県が公表している月次資料では、2026年6月の新設住宅着工戸数は721戸で、前年同月比0.7%減でした。
| 利用関係 | 着工戸数 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 持家 | 359戸 | 1.1%増 |
| 貸家 | 153戸 | 34.1%減 |
| 分譲住宅 | 200戸 | 47.1%増 |
参考: 群馬県「新設住宅着工戸数」
一か月の数字だけで長期的な傾向を判断することはできませんが、持家・貸家・分譲住宅で動きが異なっていることが分かります。
一方、一般財団法人建設物価調査会の2026年7月の建設資材物価指数では、東京の建設総合が前年同月比5.5%上昇、建築部門が5.2%上昇、建築補修が4.6%上昇しています。
これは東京の指数であり、群馬県の工事価格を直接示すものではありませんが、建設資材の価格上昇が続いていることを確認する参考になります。
新築費用だけでなく、既存住宅の修繕費、空き家の改修費、建物の解体費、土地の造成費なども、不動産の判断に影響します。
「地価が上がったから、手取り額も同じように増える」とは限りません。
売却するために必要な測量、解体、残置物撤去、修繕などの費用も含めて考える必要があります。
ここからは、担当・石井の現場での見方です
ここからは、ピタットハウス前橋店で売買・査定を担当する石井の現場での見方です。
公表されている地価を見ると、前橋・高崎の中心部には明るい動きがあります。
一方、実際に査定をしていると、同じ市内でも売却しやすい不動産と、時間をかけて出口を考える必要がある不動産との差が広がっているように感じます。
土地であれば、接道、形状、面積、上下水道、都市計画上の制限などを確認しなければなりません。
建物であれば、築年数だけでなく、構造、修繕履歴、雨漏りや設備の状態、現在の間取りが需要に合っているかなども確認します。
不動産査定は、周辺の事例に面積を掛けて価格を出せば終わりというものではありません。
不動産調査、現地確認、法令上の制限、建物状態、売却に必要な費用を一つずつ確認するという、基本の積み重ねが重要だと考えています。
資産整理11件から見えたこと
8月は、資産整理を理由とする相談が11件と最も多くなりました。
相談内容はそれぞれ異なりますが、次のようなご相談が増えています。
- 今すぐ売るわけではないが、価値を確認したい
- 将来、家族に負担を残さないように整理したい
- 保有を続けた場合の費用も知りたい
- 売却と賃貸のどちらが合うのか比較したい
売却を決める前の段階から、不動産の今後を考え始める方が増えていると感じます。
相続6件と空き家3件を合わせると9件になります。
相続が発生してから初めて考えるのではなく、所有者がお元気なうちに、売る・貸す・管理する・保有するといった選択肢を整理しておくことが、ご家族の負担軽減にもつながります。
W査定は「売るか貸すか」を数字で比較するもの
8月は3件のW査定を行いました。
W査定では、一つの不動産について、次のような項目を整理します。
- 現在売却した場合の想定価格
- 賃貸に出した場合の想定賃料
- 保有を続けるための修繕費や管理費
- 将来売却する場合の価格変化
- 空室や建物劣化のリスク
売却査定額だけを見ても、その不動産を売ることが最善かどうかは決められません。
賃貸にした方がよい場合もあれば、修繕費や管理負担を考えると売却が合っている場合もあります。
大切なのは、一つの方法へ誘導することではなく、それぞれの選択肢と負担を正確にお伝えすることです。
当社の地域戦略と査定への考え方
ピタットハウス前橋店ワンライフでは、前橋駅周辺をはじめとした重点エリアで、地域情報や売買・賃貸の相談を継続的に蓄積しています。
エリアを絞って情報を集めることは、査定精度や提案力を高めるための会社としての戦略です。
しかし、会社の戦略と、お客様にとって望ましい選択は別のものです。
仲介による売却、買取保証付仲介、直接買取、賃貸活用、空き家管理、保有継続など、それぞれのメリット、負担、リスクをお伝えしたうえで、最終的に判断するのはお客様ご本人です。
私たちの役割は、不動産会社の都合で結論を決めることではありません。
お客様が納得できる判断へ進めるように、必要な情報と選択肢を整理し、ご案内することだと考えています。
- 誠実に調査すること
- お客様の目線で考えること
- 関わる方々の幸せを考えること
- 空き家や相続などの社会課題に向き合うこと
こうした基本を丁寧に積み重ね、その結果としてお客様の満足と会社の成果が生まれるよう、これからも業務に取り組んでまいります。
査定は、売却を決めるためだけのものではありません
不動産査定を依頼したからといって、必ず売却する必要はありません。
- 現在の資産価値を確認したい
- 相続に備えて家族で話し合いたい
- 空き家を売るか貸すか考えたい
- 保有を続けた場合の負担を知りたい
- 買い替えの資金計画を立てたい
このような段階からご相談いただけます。
良い選択だったかどうかを最終的に判断するのは、当事者であるお客様です。
私たちは、その判断に必要な選択肢と情報を、できる限り分かりやすくお伝えします。
無料訪問査定にも対応しており、査定後に売却を義務付けることはありません。
不動産の今後について、まだ方針が決まっていない段階でもご相談ください。
売却・賃貸・管理・保有など、お客様に合った選択肢を一緒に整理します。
空き家にも、必ず出口を。

