
「ピタットハウス前橋店 不動産レポート Vol.03」
【石井の不動産市況 Vol.03|2026年10月前半】
金利が動く今、前橋・高崎で「選ばれる不動産」の条件を考える
ピタットハウス前橋店・株式会社ワンライフの石井です。
本記事は、2026年10月1日時点で確認できる公開情報をもとに、不動産実務の視点から私自身の考えをまとめたものです。当社としての一つの見解であり、将来の金利、不動産価格、売却結果や投資成果などを保証するものではありません。
前回は、基準地価の動向を通じて、前橋・高崎でも地域や物件による違いが広がっていることをお伝えしました。
今回は、その続きを考えます。
金利や建築費が気になる今、買う方が判断しやすい不動産とは、どのような物件なのでしょうか。そして、所有する側は何を準備すればよいのでしょうか。
私が注目しているのは、「購入後に必要なお金と、その不動産の使い道が見えること」です。
■ 9月の金利動向を、どう受け止めるか
日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で、短期金利の誘導目標を1.25%程度とする方針を決定しました。
この1.25%は、個々のお客様に適用される住宅ローン金利そのものではありません。実際の適用金利や変更時期は、金融機関や契約条件によって異なります。
ただ、不動産を購入する方にとって、借入条件を改めて確認する重要性は高まっています。
住宅なら毎月の返済額。収益物件なら返済後に残る資金。事業用不動産なら、本業の運転資金も含めた資金計画です。
私は、こうした確認が丁寧になるほど、物件の価格だけでなく、「購入後の負担をどこまで見通せるか」が判断を左右すると考えています。
■ 地価が上がることと、買いやすくなることは別です
9月公表の群馬県地価調査では、全用途平均が前年比0.2%上昇しました。一方、住宅地は0.2%下落、商業地は0.9%上昇、工業地は2.8%上昇と、用途によって動きが異なります。
県は、高崎市や太田市では、建築費の高騰などを背景に、住宅需要が中心部から周辺へ広がる動きも指摘しています。
ここから私が考えるのは、購入希望者が「立地のよさ」と「無理のない総予算」の折り合いを、より慎重に探しているのではないかということです。
人気の場所でも、土地と建物の合計が予算を超えれば購入は難しくなります。少し範囲を広げた場所でも、通勤や買い物に支障がなく、必要な住まいを予算内で実現できれば、候補になります。
前橋・高崎の不動産を見る際も、市全体の平均だけでなく、誰が、何のために、いくらまでなら利用できるのかを考える必要があります。
■ 中古住宅は「購入後の費用が見えること」が強みになる
今後の住宅市場で、私は既存住宅の活用に注目しています。
ただし、中古住宅なら何でも選ばれる、という見方ではありません。
購入する方が知りたいのは、売出価格に加えて、次のようなことです。
・住み始めるまでに、どこを直す必要があるか
・屋根や外壁、給湯器などは、いつ修繕・交換したか
・断熱性や耐震性を、どこまで確認できるか
・駐車場や間取りが、家族の暮らしに合うか
・購入後の修繕に、どの程度の予算を残す必要があるか
例えば、同じ価格の住宅でも、修繕履歴が整理され、必要な工事の概算が分かる住宅と、購入後の費用がほとんど分からない住宅では、検討のしやすさが違います。
売却前に大規模なリフォームをすることが、必ずしも最善とは限りません。まずは建物の状態を確認し、修繕履歴や見積もりなど、判断に必要な情報を整えることから始められます。
「この家を買うと、どのような暮らしが、総額いくらで実現できるか」。そこを伝えることが、これからの中古住宅販売では大切になると考えています。
■ 収益不動産は「家賃収入の先」を確認する
アパートや賃貸マンション、店舗などの収益不動産でも、購入後の見通しが重要です。
表面利回りは比較の入口になりますが、それだけで経営の安定性までは分かりません。
確認したいのは、実際の入金状況、空室、管理費用、修繕、そして借入返済を含めた資金の流れです。
現在満室であっても、近い将来に大きな修繕が必要になる場合があります。反対に、空室があっても、募集条件や建物の使い方を見直すことで、改善を検討できる場合もあります。
売却を考えるオーナー様には、賃貸借契約書、入居状況、修繕履歴、年間の支出などを整理しておくことをおすすめします。
こうした資料は、買主様が収支を検討し、金融機関に相談するための材料になります。
私は今後、収益物件の評価では、「現在いくらの家賃が入るか」に加えて、「その収入を維持するために、何が必要か」を説明できることが、より大切になると考えています。
■ 広い土地・店舗・法人所有不動産は「次の使い道」から考える
広い土地や空き店舗、使わなくなった事務所などは、住宅とは違う視点も必要です。
例えば広い土地なら、そのまま一括で利用するのか、複数の宅地として活用するのか。既存の店舗なら、建物を生かして使える事業者がいるのか。法人所有の不動産なら、本業に必要な資産なのか、保有目的を見直す時期なのか。
利用方法によって、候補となる買主や借主、必要な整備費用、検討期間は変わります。
道路の入りやすさ、駐車スペース、上下水道、造成の必要性などを確認することで、価格だけでは分からなかった課題が見えてきます。
農地や市街化調整区域の土地についても、希望する用途で利用できるかを、関係行政への確認を含めて調べることが出発点です。
面積の大きい不動産ほど、「誰に、どのように使っていただくか」を具体的にすることが、売却や活用の方向性を考えるうえで重要だと思います。
■ 10月は、所有不動産を一度整理してみませんか
年末に向けて、今すぐ売却するかどうかを決める前に、次の3点を整理してみてはいかがでしょうか。
① 今の状態で売却する場合の価格と条件
② 保有を続けた場合の収入・維持費・修繕負担
③ 活用方法を変える場合の費用と実現可能性
住宅、空き家、賃貸物件、事業用不動産では、それぞれ確認する内容が違います。また、同じ物件でも、所有者様のご事情によって適した選択は変わります。
「もう少し持っていたい」というご希望があれば、その間の管理と費用を考える。「将来は売りたい」というご希望があれば、必要な資料や調査を少しずつ整える。
準備を進めることで、必要になったときに選べる方法を増やしておくことができます。
■ 石井の見解――これからは「判断できる材料」を整えること
前回は、不動産の選別が進む可能性についてお伝えしました。
今回、私がその先にあると考えているのは、購入する方や利用する方が、納得して判断できる材料の重要性です。
土地なら、利用できる条件と整備費用。
住宅なら、建物の状態と暮らし始めるまでの総額。
収益物件なら、収入を維持するための支出。
事業用不動産なら、利用目的との適合性と事業全体の資金計画。
市場の変化を見ながら、その一件に必要な情報を整える。それが、所有する方と次に利用する方の双方にとって、納得できる取引につながると考えています。
ピタットハウス前橋店・株式会社ワンライフでは、前橋市・高崎市を中心に、住宅や土地の売却、直接買取、売るか貸すかの比較、収益物件、店舗・事業用不動産、相続不動産のご相談を承っています。
「いくらで売れるか」と一緒に、「持ち続ける場合はどうか」「別の使い方はあるか」も整理してみませんか。
まだ方針が決まっていない段階から、お気軽に石井までご相談ください。
もっと・ずっと・一緒に。
地域の不動産を、その先の暮らしと事業につなげていきます。
※本記事は、公表資料と石井個人の見解をもとにした参考情報です。将来の市場動向、価格、収益、売却期間などを保証するものではありません。個別の判断にあたっては、物件調査、最新の取引状況、金融機関の融資条件等を確認し、必要に応じて各分野の専門家と連携して検討します。
執筆:株式会社ワンライフ
ピタットハウス前橋店 石井 良則
参考資料:
・日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2026年9月18日
・群馬県「令和8年地価調査結果」
・前回記事:不動産レポート Vol.02
